2021年08月23日
191回目 タップワーン 召し上がれ!
アユタヤ王朝末期の1764年に建立された歴史のある寺院で、かつて「ワット・ホン」と称されていました。ご本尊の「ソートーン大仏」を祀っていることから、後に現在の名がつくようになったといわれています。
幅1.65m×高さ1.98mのランナー様式でつくられた坐像のソートーン大仏は、様々な奇跡を起こしながらバーンパコン川に漂流してきた三体の仏像のひとつで、最初の一体はサムットソンクラーム県ワット・バーンレーム、もう一体はサムットプラカーン県ワット・バンプリー・ヤイ・ナイにそれぞれ祀られているとの言い伝えが残っています。特にソートーン大仏は無病息災にご利益があるとして、地元に限らず全国各地から大勢の参拝者で賑わっています。宮殿のような尖ったモンドップ屋根が特徴の白い大理石の本堂はラタナコーシン様式の建築で、前国王の令により1996年に完成したもの。寺院周辺には、100年以上続くレトロ的な市場(タラート・バーンマイ・ロイピー)や緑あふれる果樹園などがあり、寺院への参拝の際に合わせて訪れるのもおすすめです。
また、ワット・ソートーンは、「ゆで卵」をお供えして祈願するユニークな参拝方法でも知られています。その昔、貧しい人がこの寺院に来て「願いごとが叶ったらゆで卵を捧げます」とお祈りしたのが始まりといわれていて、ゆで卵をお供えすることが習慣になりました。ゆで卵が多ければ多いほどその願いが叶うとされるため、参拝者は出来るだけ多くのゆで卵を寺院の近くで購入します。ただし、兵役免除のお願いはしません。それは、亡くなったルアンポー・ソートーンというこの寺院の名僧が、「男性は国を守るために一度は軍隊に入って欲しい」という信念を唱えていたからです。また、ワット・ソートーンではゆで卵だけではなく、タイの民族衣装で着飾った踊り子さんたちによる伝統舞踊を奉納することもあります。Amazing Thailandより